「急カーブで生じるきしり音が主たる原因ですが、トンネルが小さいことで、よりうるさく感じてしまうのだと思います。また、大江戸線は車両とトンネルの隙間が非常に狭いです。これが災いして、きしり音やその他の音がトンネル壁ではね返りコロナ禍により開けてある窓から車内に入って、騒音として乗客の苦情を生んでいるのではないかと思われます」(渡部さん)
実際、今回の測定で最も騒音が激しかったのは、急カーブが続く「大門~赤羽橋」間で96デシベルとなった。
■後から建設された路線
とは言え、大江戸線にカーブが多くなったのは訳がある。
「大江戸線は後から建設された地下鉄ですので、首都高の基礎や既存の駅などを避けながら建設しなければいけない施工上の制約がありました。そのため、カーブが多い路線とならざるを得ませんでした」(都交通局)
都は騒音対策として、車輪とレールの摩擦を減らす摩擦調整剤をレール上に塗るなど毎日至る所で様々な取り組みを行っていると理解を求める。しかし、車内の窓開けは「コロナが完全に収束するまで続けます」と都交通局は言う。コロナよ、早く収まってくれ。(編集部・野村昌二)
※AERA 2020年11月2日号
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