伊藤容疑者の逮捕で特に大きな影響を受けそうなのは、映画『とんかつDJアゲ太郎』だろう。同映画は出演者の1人である伊勢谷友介(44)が、9月に大麻取締法違反の容疑で逮捕されたが、再編集などはせずに予定通り公開すると発表していた。だが、10月には同じく出演者のブラザー・トム(64)が「モラハラ不倫」を写真週刊誌で報じられて“追い打ち”をかけられた。そんな状況のなか、公開前日になって伊藤容疑者の逮捕が報じられたのだから、まさに「弱り目にたたり目」と言うほかない。
そんな“いわくつき”の映画の公開初日はどのような様子なのか。30日午前、東京・日比谷の映画館の初回上映に足を運んだ。
TOHOシネマズ日比谷には、朝にもかかわらず、ロビーには長蛇の列が。少なくとも50人以上が並んでいる。お目当ては公開初日の『とんかつDJ』と思いきや、12月11日に公開する故・三浦春馬さん主演の『天外者』の前売りチケットを買い求める客たちだった。グッズ売り場は、鬼滅グッズを手に取る客でにぎわっている。
そんな中、『とんかつDJ』の上映スクリーン(午前8時55分の上映回)は、人がまばらで、客はわずか9人だった。
物語は、実家のとんかつ店を手伝うアゲ太郎(北村匠海)が、配達先のクラブで偶然目にしたDJオイリー(伊勢谷友介)のDJさばきに魅了され、クラブDJを目指していくというストーリー。伊勢谷演じるDJオイリーにアゲ太郎が弟子入りする展開なので、序盤は伊勢谷の出演シーンが目立つ。対して、伊藤容疑者が演じる屋敷蔵人が登場するのは、映画開始から約30分後。屋敷はライバルDJという位置付けだが、2回目の登場シーンは初登場シーンのさらに30分後と決して多くはない。
印象的だったのは、オイリー(伊勢谷)が、DJの師としてアゲ太郎に言い放ったセリフだ。
「フロアを甘く考えるな。油断・緊張・不運、何が起こるか分からない」