あとはアレだ、もう、ぶっちゃけアレだ、「シュッ」とした人、うらやましい。
立ち振る舞いがスマートという意味もあるが、まあハッキリ言って、見た目の話です。やっぱ、こう、シュッとしたいじゃん、スタイルとか。顔とか。あとスタイルとか顔とか。あと追加するならスタイルとか顔とか。俺、なにからなにまで全然シュッとしてないもん。なんか、ドーン、バーン、ズデーンって感じ。なんだよいいじゃねえかドーンだってバーンだってズデーンだっていいじゃねえか悪かったよ謝りゃいいんだろああ悪かったよドーンバーンズデーンで悪かったよ。
なんともステレオタイプの逆ギレをしてしまったわけだが、でもさ、ホラ、考えてごらんよ(←誰だ)。世の中に、誰ひとり、うらやましい人が存在しない世界って、とっても味気ない、そう君は思わないかい?(←だから誰なんだ)
逆ギレしたと思ったら急に妖精のような物言いになって情緒不安定の感は否めないか、いや、でもね。「うらやましい」とか「憧れる」って感情がないと、なかなか生きててつまらんかもとも思うわけさホント。人生に彩りを与えてくれる感情と思えば、自分のなかの「人をうらやむ」気持ちも、少しは許せそうな気がする。気がするだけかもしれんが。
はい。そんなわけで、ミュージカル「プロデューサーズ」、明日11月9日から開幕です。僕が「うらやましい」と思う人、たくさん出てます。というか、僕以外の出演者、全員うらやましいです。そんな人生に彩りを与えてくれる愛すべき共演者、スタッフたちと、全力で皆さまをおもてなしする所存です。賑々しく、ご期待を乞いまっす。
■佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける。原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)が近日公開予定