【五臓六腑に染み渡る】


 ラーメンのスープのおいしさに対するコメント。五臓六腑はthe internal organs (and the bowels)と訳せるが、慣用句は直訳しても理解されにくい。

 まずは言わんとすることを小さな子どもに説明するつもりで簡単な日本語に置き換えてから、英語に変換すると伝わりやすい。

 It warms you up (so) nicely from the inside.(内側から温まる) The tastiness spreads throughout every inch of my body.(うまさが体の隅々まで行き渡る)などの訳が妥当だろう。

◇ドキュメンタリー映画「Come Back Anytime」
東京都千代田区(最寄り駅は飯田橋)にある老舗ラーメン店「びぜん亭」と店主・植田正基さんに1年密着。名店の味の秘密、常連が足繁く通う理由を探る。竹の子掘り、梨狩りなど、店主の四季折々の"外遊び"にも同行し、1軒のラーメン屋が形成するmicro Japanese communityの魅力に迫る。
邦題「またいらっしゃい」
https://comebackanytime.com/

◇監督 John Daschbach(ジョン・ダッシュバック)
米国出身。2011年から日本在住。「Brief Reunion」(2011)などフィクションの監督作はあるが、ドキュメンタリーは本作が初となる。

(文/山本 航)

※『AERA English (アエラ・イングリッシュ) 2020 Autumn & Winter』より。誌面ではジョン・ダッシュバック監督へのインタビューを英語と日本語で掲載している。

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