思考が整理されないままモヤモヤを抱え続けるよりは、頭の中を可視化することで、冷静な判断ができるようになる、ということだ。

「真の『あきらめる勇気』を持っている人は、くよくよ考えてももう仕方ないことを自ら見極めて、きっぱりあきらめます。なってしまったことは、それはそれとして受け止め、焦って挽回しようなどとジタバタしないことです。そこから、未来へ向けた希望が見えてくるものです」(同)

■簡単ストレッチ2カ月間継続を

 感情面だけでなく、食事や運動などの生活習慣を改善することも、自律神経を整えることにつながるという。小林教授はこう語る。

「腸内の環境が良くなると副交感神経が優位になり、自律神経のバランスも整ってきます。食事は腸内環境を良くするため、発酵食品や食物繊維を取ることが大事。腸内環境は善玉菌2割、悪玉菌1割、あまりなじみはないが日和見菌7割に保つのがベストです」

 日和見菌とは、腸内の環境の良し悪しによって善悪どちらにもなりうる菌のこと。体調が悪いとき、便秘を起こしているときなどは悪玉菌に味方をしてしまうので、注意が必要だという。

 悪玉菌が優位になると、消化吸収の機能が弱り、肥満をはじめ糖尿病、高血圧などの生活習慣病リスクが高まる。そのため、どれだけの日和見菌が善玉菌の味方をするのかが健康な腸内環境の鍵になる。

「善玉菌の餌となる味噌、納豆、キムチ、漬物といった発酵食品や、根菜や野菜、わかめ、キノコなどの食物繊維を意識的に取ることが必要です」

 運動については、負荷の重くない簡単なトレーニングで自律神経を整える方法がある。理学療法士の柿澤健太郎氏は、ストレッチを使った方法を提唱している。

「背骨の中に自律神経の通り道があり、脳と全身をつないでいます。本来、真っすぐな姿勢ならば正常に働いているものが、背になると自律神経の通り道がたわんでしまって機能が落ちてしまい、血のめぐりも悪くなります。ねじったり、反ったりという刺激を繰り返し与えることで、猫背を直していきます」

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