北朝鮮の朝鮮中央通信は2月12日午後2時40分ごろ、3回目の地下核実験が成功したことを報じ、同時に、「小型化、軽量化した原子爆弾を使った」と伝えた。北朝鮮のミサイル「ノドン」の射程には日本も含まれる。イージス艦4隻に搭載されたミサイルSM3や、地対空誘導弾PAC3など、日本に備えがないわけではないが、万が一の事態に日本は対応できるのか。
元海将で岡崎研究所理事の金田秀昭氏が解説する。
「迎撃ミサイルを同一目標に連続発射する『サルボー発射』や、SM3とPAC3の組み合わせなどで、命中率はさらに高まります。仮に1発目が9割の命中率で、2発目も9割なら、合わせて99%の命中率です」
それでも100%撃ち落とせる保証はない、というのが専門家の一致した見方。仮に1発でも核ミサイルが着弾すれば、被害は甚大だ。核への絶対的な対策はないのか。軍事アナリストで静岡県立大特任教授の小川和久氏は首を振る。
「そもそも日本のミサイル防衛システムは核攻撃を想定していません。日本は今まで、核は使われないという前提で、通常弾頭型弾道ミサイルに対処できればよいとする考え方でやってきました」
ノドンをまとめて撃つには、発射台の数などで限界があるとの分析もある。しかし、万一、撃ってきた場合の対応は難しい。
「北朝鮮はノドンを200発以上展開していると言われています。同時に多数のミサイルで攻撃されたら、SM3の数などを考えても完全な迎撃は難しいでしょう」(同前)
※週刊朝日 2013年3月1日号