「コンビニ百里の道をゆく」は、51歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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日本にはお腹いっぱい食べられない子どもたちがたくさんいます。この夏、厚生労働省が発表した調査では、2018年の子どもの相対的貧困率は13.5%。実に約7人に1人の割合となります。さらにコロナ禍の影響で、ご家族が仕事で多忙になったり、経済的な事情で食事が思うようにとれなかったりするという声を聞きます。
ローソンでは今月25日と26日に、「こども宅食」を利用する子どもたちに商品を無料配布することにしました。お届けするのは、先日から始まった「外食コラボ」の「たいめいけん」さん、「坂内食堂」さん、「串カツ田中」さんの商品です。
都内対象地域のこども宅食に登録されている方に事前に希望商品を募り、近くのローソンで商品を受け取って頂く仕組みで、275家庭ほどを予定しています。
今年最後の週末に、子どもたちに外食気分や非日常感を味わってもらえたら非常にうれしいです。
子どもは密になって成長していくもの。ですが、コロナ禍の2月以降、一斉休校が明けてからも、遠足や運動会、修学旅行などの行事が軒並み中止に。今年の新語・流行語大賞には「3密」が選ばれ、友だちと互いの家を行き来するのもはばかられる状況が続いています。
本来、伸び伸びと過ごせる子ども時代が制限されてしまうのは、とても酷なことです。年末年始におじいちゃん、おばあちゃんたちに会いに行くことを我慢しなければならない子どもたちもたくさんいると思います。
3月の学童保育へのおにぎり無償配布がきっかけとなり、「子どもたちの笑顔につながる取り組み」を今後も続けていきたい。今回のこども宅食もその一つの試みです。これからも、継続的に子どもたちのサポートをしていきたいと考えています。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長