2014年に釈放された袴田さん。現在は姉・秀子さんと浜松市内で暮らしているが、長期にわたった拘置所生活で拘禁症状が出て、いまも治っていない。秀子さんによる袴田さんの生活サポートはこれからも続く。

「袴田さんのお姉さんは、人生をつぶされたよね。そのことをお姉さんに話すと、涙を流すんだよ。だからこそね、袴田さんが生きているうちに、ああよかったねってみんなで言ってあげたいよ」

 輪島氏は秀子さんの話になると、少しだけ声のトーンを落として言葉を絞りだした。だが、最後は言葉に力を込めた。

「俺がこんなことしゃべったって、しょうがないってことは分かってる。それでも言うよ、嫌われたって言わなきゃいけないんだ。袴田さんを早く、本当の意味で我々のもとに返してくれってね」

 再審開始の扉は開かれるか。(AERAdot.編集部)

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