HIROくんが借りてきてくれたトラックに荷物を積み終えて、新居に移動する時も、住所が書いている用紙を失くしちゃっているもんだから、場所がいまいち分からない。一度内見の時に行っているから、だいたいの位置は分かるんだけど、全然着かない。夜遅いから、不動産屋さんにも電話ができないし、同じ道をぐるぐる周り続けて、「お前、場所どこやねん!」って、団長は呆れてた。
荷物の搬入作業の時も、ボクは全然重たいものとか持てないし、例え持てたとしても、すぐに手を離すクセがあるから、「危ない危ない!何してんねん!」って怒鳴られるし、最終的に「もうお前は搬入は手伝わなくていいから、室内で片づけしとけ!」って言われる始末。
仕方ないから部屋の片づけでもしようと思ったんだけど、家具をどこに配置するかもまだ決めていないし、それだったら特に今やることがないなって思って、ぼーと窓から景色を眺めていたら「お前、何もやってへんやんけ!!」って、また怒られた。
数時間かかって、団長に怒られまくって、なんとか引っ越し作業は終了。
なんで、こんなに面倒くさいのに、みんな引っ越しとかするの? 理解できない。
家具をどこに置こうかなとか、考えたりすることが好きな人には楽しいのかな。ボクは、そんなのどうでもいいし、全部手の届く範囲でいいじゃんって思っちゃう。不動産屋にいったり、契約書を書くのも、しんどいし、そんな労力を使うなら、他のところに使いたい。
だから、ボクは、今のアパートからは絶対出ないと思う。
どんな環境であっても、「住めば都」。
もし、ボクが引っ越すタイミングが来るとしたら、たぶん結婚の時だね。奥さんがタワマンに住みたいって言うんだったら、それは合わせるよー。
でも、お願いだから、引っ越しの細かい準備は全部やってほしい。
もう、あんなストレスは二度と味わいたくないから…。
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)