東京などの首都圏の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、菅義偉政権は1月7日、1都3県に対して2度目の緊急事態宣言を発出した。
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昨年4月、コロナ感染第1波の際には国が主導して全国に出した緊急事態宣言。今回は東京都の小池百合子知事ら1都3県の知事がコロナ対策を担当する西村康稔経済再生相らに申し入れたことがきっかけで発出された。
「新年から、小池劇場のはじまりだよ」
と顔をゆがめるのは、自民党幹部だ。小池氏が急に動き始めたのは、昨年12月29日だったという。12月末になって、東京都の新規感染者数は連日、800人を上回った。「1000人超え」も時間の問題だと、小池氏は首都圏の知事に連絡をとり始めたという。
「小池氏は『首都圏だけでも緊急事態宣言を出したほうがいい』『国とかけあいましょう』などと知事たちに呼びかけたそうです。12月31日には『菅首相に会いにいきましょう』とも言っていたそうです」(東京都議)
埼玉県の大野元裕知事はすぐに応じた。しかし、千葉県の森田健作知事は「東京都と千葉県では事情が違う」と難色を示した。そこを説得したのが、神奈川県の黒岩祐治知事だった。
何とか3人の了解をとりつけたものの、皇居で新年祝賀の儀の開催などもあり、アポイントがとれたのは1月2日だった。
「小池氏はテレビなどで、いかにも自分が中心となって会談にこぎつけた雰囲気を出していました。しかし、実際にアポイントをとったのは、神奈川県の黒岩知事。自民党、公明党、与党に太いパイプがあるのを使ってねじ込んだ」(前出・自民党幹部)
当初、会談には菅首相も当初は加わるとみられていた。しかし、直前になって、菅首相は参加を拒み、4人の知事に対応したのは西村康稔経済再生担当相だった。菅首相は、西村氏に細かく指示をして官邸を後にした。
「菅首相が来ると思っていた小池氏は、西村氏にかなり激しい言葉で緊急事態宣言をと迫った。だが、菅首相は会談前に西村氏に30分以上も『緊急事態宣言を出せば大変なことになる』と繰り返し言って、小池氏主導には乗るなという趣旨の話をしたそうだ。菅首相は小池氏を嫌っていて、最近は会食もしているが簡単には修復できない状況。菅首相は『小池氏は正月から、何を言っているのか』などと愚痴っていたそうだ」(前出・自民党幹部)