昨年から続く新型コロナウイルスの脅威は2021年になっても変わらず。それでも日本では引き続き無事に競馬開催ができているのは何よりで、関係各位の奮闘には頭が下がるばかりだ。だが海外遠征となると、やはり今年もコロナ以前にはなかった困難が発生していることもあり、例年のように海外G1へ挑戦することは難しいかもしれない。
それでも、日本の競馬ファンが最も注目する海外G1であろう凱旋門賞の前売りオッズでは日本馬たちが上位に名を連ねている。英国最大のブックメーカーのひとつでるウィリアムヒルでは、昨年の三冠牡馬コントレイルが15倍の3番人気(1月12日時点、以下同)。同じく三冠牝馬のデアリングタクト、宝塚記念と有馬記念の両グランプリを制したクロノジェネシスは26倍の6番人気タイに推されている。
さらには昨年にデビューから3連勝でG1ホープフルステークスを制して最優秀2歳牡馬に選出されたダノンザキッドも、51倍の14番人気タイながら名前がある。日本の名馬たちは欧州の競馬界からも注目を集めているのだ。
ちなみに11倍の1番人気は昨年の英クラシック二冠牝馬ラブ。昨年の凱旋門賞でも前売りでは1番人気を集めていたが、直前に馬場状態を考慮して出走を回避した。13倍の2番人気は昨秋にヴェルメイユ賞、オペラ賞、ブリーダーズカップターフとG1を3連勝した5歳牝馬タルナワ。そこからコントレイルを挟んで21倍の4番人気タイには昨年の凱旋門賞2着馬インスウープと、年末に香港ヴァーズで2度目のG1制覇を果たしたモーグルの4歳牡馬勢が並んでいる。
秋の凱旋門賞から直近の海外遠征に目を向けると、2月20日のサウジカップデーがやはり注目の的だ。第2回開催となる今年は賞金総額が3000万ドル(約31億円)を突破。ドバイワールドカップデーやブリーダーズカップと同じようにさまざまなカテゴリのレースが用意され、世界各国から名馬たちを集める準備を整えている。
ちなみにJRAにはサウジカップ開催の主催者であるサウジアラビアジョッキークラブから優先出走権を付与する競走として2レースが新たに指定されている。G1チャンピオンズカップ(ダート1800m)とG3カペラステークス(ダート1200m)だ。
前者を制したのはチュウワウィザードで、後者の勝ち馬はジャスティン。両陣営とも年末年始の時点では遠征に前向きな姿勢を見せているが、チュウワウィザードは1月27日のG1川崎記念にも登録。これはサウジカップ開催の実現が不透明なことを踏まえてのことだという。