放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、緊急事態宣言中の不安な気持ちを振り切るような、ある漫画を紹介します。
【写真】鈴木おさむと大島美幸、夫婦のプライベート2ショットはこちら
* * *
今日は漫画。これから6月に向けてその熱量が最高温度に向かうであろう漫画「進撃の巨人」です。
2009年に連載が始まり、一巻が出た時に購入。
あらすじは、壁で囲まれている街の中で暮らしている人々の平和な日々がある日突然壊れる。謎の巨人が壁を壊し襲ってくるのだ。町は壊され、主人公・エレンは巨人に母親を目の前で食べられてしまう。衝撃のスタート。1巻を読み終えた時に身震いしました。「とんでもない漫画が始まった」と。
だが、2巻、3巻と読み進めていくうちに、「あれ?」「なんか思ってたのと違う」「なんだ、こんな感じか……」となり、読むのをやめてしまった。僕のように、最初に衝撃を受けたけど、数巻でやめたという人、周りに結構います。
だから、そのあとも「進撃の巨人、おもしろい!」と読み続けてる人と会うと、僕は「最初は読んでたんだけど、やめちゃったんだよな~」と上から目線で言うことが何回かあった。
が、去年の12月にNHKでアニメ「進撃の巨人」のファイナルシーズンが始まるあたりから、僕の周りで「進撃の巨人、やばい」と連呼する人がかなり増えていきました。
うちの妻はたまたまNetflixで「進撃の巨人」を一話見てから、前回の緊急事態宣言の時にそれまでのシリーズを見まくり、すっかり進撃大ファンになった。それでも僕は「いや~、俺は最初でやめちゃったんだよね」と上から目線で言い続けていたのですが、「展開が想像を超える」「伏線回収がやばすぎる」なんて声がどんどん届き、そして僕が信用するクリエーターのAさんが「世界ではバッドエンドの作品がどんどん増えてきてるけど、日本のエンタメでそこに突き進んでいるのは、進撃の巨人なんじゃないか」なんて言われて、ついに、コミック全巻購入。33巻。6月に最後の34巻発売。