丑(うし)年だから牛肉を食べたいと思っていた矢先に、首都圏をはじめ、各地で緊急事態宣言が発出。外食を控えるようになって気がついた。自宅で作れる牛肉料理のレパートリーの少なさに。巣ごもり生活でも牛肉食べた~い!
【フレンチシェフお勧め「牛肉と赤パプリカの軽い煮込み」のレシピはこちら】
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「牛肉が家庭の料理でも使われるようになったのは、ここ20年ほど。外国から安い肉が入ってくるようになってからです。歴史が浅いため、牛肉を使った献立は少ない。せいぜいカレーと肉じゃがくらいですよね」
そう語るのは、日本を代表するフレンチレストランのひとつ「カーエム」の宮代潔シェフ。
日本人が牛肉を食べるようになったのは、あまり古いことではない。7世紀後半に天武天皇が殺生を禁じて以来、肉食は禁忌とされてきた。
それが大きく変わったのは明治5(1872)年。明治天皇が宮中で肉料理を食べたことが報じられたからだ。
とはいえ豚肉との価格差が大きかったこともあり、牛肉はハレの日の、ステーキやすき焼きといったご馳走(ちそう)のイメージをまとう。
コロナ禍で外食を控える今、自宅でも牛肉を使った料理を楽しみたい。
「日本でフランス料理というと、一流店の気取ったメニューのイメージが強いでしょう。でもフランス人は、そんな料理をいつも食べているわけではありません。向こうの家庭料理を献立に加えればいいんです」(宮代さん。以下同)
シェフお勧めの家庭料理は、牛肉と赤パプリカの軽い煮込み。実にカンタン。誰でも短時間で作れる。
重要なのは肉の部位。内ももかランプ肉を使用すること。
煮込むといえば、高級レストランでもよく見かけるのが「牛ほほ肉の煮込み」。煮溶けることのないように8等分くらいに切ったタマネギ、ニンジン、セロリとともに、赤ワインで煮るもので、家庭でも作れる。ただし煮込み時間は3~4時間かかる。