中学入試前半戦、合格をもらえずにいたこの家庭は結果を塾に報告すると、一つは合格をもらってから本命の入試に挑むことを勧められた。絶対に合格できそうな偏差値帯の学校にパソコンから出願したのは試験前日の夜10時過ぎだった。結局、駆け込み出願をした学校に入学を決めた。
「合格した時“良かったね”と伝えました。学校での成績も上位をキープできているので、結果的にこれでよかったと思っています」
このように、予定外の学校に出願し、入学することもありうる。もちろん全部不合格になって地元中学に通うこともある。どんな結果になっても、親子でその結果を前向きに消化し、次に向かって歩けるかが大事だ。
前出のたなかさんによれば、中学受験で大切なのは、“失敗した”という気持ちを子どもに植え付けないことだと言う。
「中学受験の失敗は、親が作ると思っています。結果がどうであっても、あなたのチャレンジは素晴らしかったし、あなたが私の宝物であることは変わらないということを伝えてあげてください」
(フリーランス記者・宮本さおり)
※AERA 2021年2月1日号より抜粋