つながるといえば、劇中音楽をサカナクションさんに手がけていただけるんですが、「関ジャム」という僕らの音楽番組でもサカナクションさんの特集を何回かやっていて。「音の変態ぶり」はよく知っているので、どう融合できるのかもめちゃくちゃ楽しみです。
■早く40歳になりたい
——レギュラー番組を多く抱える多忙なスケジュールを縫い、ここ数年は舞台にも取り組んできた。舞台の魅力は、他では味わえない「熱」だと感じている。
横山:まず、終わった後の酒がめっちゃくちゃうまいです。ゴールテープに向かって走ってる感じもいい。明日も声が出るかなとか、ちゃんと台詞(せりふ)を言えるかなとか、緊張の糸がずっと張りつめているから、毎日毎日、無事に終わるとものすごくうれしくて、それが「生きてるな~!」って感じがする。 その爽快感は何物にも代えられないですね。とはいえ、「楽しい」というほど気持ちの余裕はまだないんですけどね。こうやって舞台の取材を受けると、憂鬱になってくるんですよ。自信がないし、完璧にできたことなんか一回もない。大変やったという記憶しか思い出さないので。ただ、性格上、永遠に「これで完璧や」と満たされることはないし、その思いを抱えながら生きていくしかないんだろうなとは思います。満たされたと思ったら、終わってしまう気がするから。
——5月に40歳を迎える。体力の衰えは感じないが、「人の思い」を感じるようになってきた。
横山:早く40歳になりたいんです。年を取った方が楽やなと思うようになってきたから。やっぱり、何か発言するにしても、年齢を重ねているほうが説得力は増すし、伝わると感じることも多いです。理想の大人は、それこそ大根さん。何事も遊んで楽しむ余裕があるし、もういい年齢なのにエッチな連載を持っていたりするのもいいなと思う。いい年の重ね方をしたいですね。「結局、こいつに頼んどいたらなんとかなるわ」と思われる人間になりたい。今回の舞台もそうですけど、やらせていただくお仕事が大きくなるにつれて、関わるスタッフの数も増えるし、その人たちの人生や、僕に託してくれた「こいつならやってくれるやろ」という思いも背負うことになる。それを感じて責任感も年々強くなっています。