■G大阪「A」

 昨季2位のチームが目指すものは頂点のみ。宮本恒靖監督の下でチームとしての継続性を保った上で、高さとパワーを持つ大型FWレアンドロ・ペレイラ(←広島)、強烈な左足を持ち、右サイドでもプレー可能なFWチアゴ・アウベス(←鳥栖)とJリーグで実績のあるブラジル人2人を獲得して前線のバリエーションを増やした。現役韓国代表で2018年のロシアW杯にも出場したMFチュ・セジョン(←FCソウル)が中盤の強度を上げる。アデミウソンが予期せぬ形でチームを去ったが、その穴は埋まり、さらにパワーアップしたと言える。

 主力勢ではFW渡辺千真がチームを去ったが、代わりに東京五輪世代のFW一美和成(←横浜FC)がレンタル先で成長して3年ぶりに復帰。新人はDF佐藤瑶大(←明治大)のみで、U-23チームの解散もあって将来性のある多くの若手たちが他チームに移籍したことは残念だが、トップチームの陣容を見れば致し方なし。さらに元アーセナルのブラジル人MFウェリントン・シウバとの合意報道もあり、この実力者の加入が正式に決まれば、2014年以来のリーグ制覇への準備は整い、2008年以来のアジア制覇への期待も高まることになる。

■C大阪「D」

 昨季4位ながら監督も含めて多くの選手が入れ替わり、判断が分かれる不可解なオフを過ごした。獲得した面々を見ると、決して悪くはない。オーストラリア代表のFWアダム・タガード(←水原三星)、ブラジル人CBのチアゴ(←セアラーSC)の外国人2人に加え、2019年に日本代表選出経験のあるCB進藤亮佑(←札幌)、ボランチの位置で高いゲームメイク能力を発揮するMF原川力(←鳥栖)、豊富な運動力で攻撃を活性化するFW松田力(←甲府)、昨季J2で13得点を挙げたFW加藤陸次樹(←金沢)、そして歴代最多のJ1通算185得点のFW大久保嘉人(←東京V)が15年ぶりに復帰。東京五輪候補になるMF松本泰志(←広島)も期限付きで獲得し、確実にチームに貢献できる面々を揃えたと言える。

 しかし、その代わりに放出した面々が、守備の要だったDFマテイ・ヨニッチを筆頭に、DF木本恭生、MFレアンドロ・デサバト、そしてFW柿谷曜一朗という実力者たち。何より、彼ら以外も含めてチームの半分が新加入選手という点が、昨季4位のチームとしてはいかがなものか。賞味期限切れの疑いがあるクルピ監督の再々就任も含めて、気がかりな部分が多いオフだと言える。