■成長するにつれて、誰かと比較する機会が増える
子どもは小学校に上がると、幼稚園にいた時よりもずっと外の世界に目を向け始めます。ぴったり親にくっついていた時期が過ぎ、学校の中で友人や先生たちとの関わりが増え、少しずつ親から離れていきます(親としては少し寂しく感じますが……)。
そしてこれは当然の流れですが、他者を意識し始めると、家の中を世界の主体にしていた頃と比べ、子ども自身が自分と誰かを比較する機会が増えてしまいます。周りを見ては、自分は誰々よりここが劣っているとか、ここが優れているとか気になってしまうのです。
人は、良い情報より悪い情報を印象深くとらえてしまう性質があるため、ダメなところが気になりだすとコンプレックスになり、極度に自信をなくしてしまう心配があります。さらに以前より親との距離ができたことにより、自分の気持ちを話さなくなり、マイナスな感情を自身の中にため込むようにもなっていきます。
しかし、まさにそんな不安定な時期にこそ、親の手助けが必要なのです。どんなに外で苦痛を感じても、家だけは無条件に安心できる居心地がいいと思える場所にできれば、子どものストレスはかなり緩和されるでしょう。
そこで私は、話のきっかけをあえて作るように仕掛けています。ノハナで作ったフォトアルバムを、時々リビングのテーブルにさりげなく置いておくのです。そして息子に、「これ、懐かしいね」「こんなことあったね」なんて言いながら、一緒にフォトブックを眺めます。
■写真を使って、成長した点を褒めまくる
身長を例に挙げると分かりやすいのですが、毎日ほんの少しずつ伸びているものに関しては子ども本人も、いつも近くにいる親もなかなか気づきにくいものです。
ですから写真を使って、明らかに変化が分かる姿を息子に見せつつ、体重でも身長でも筋肉量でも力がついたでも字がたくさん読めるようになったでもいいので、成長した点を褒めまくるのです。
ちなみに、過去の子どもの画像と今の子どもの状態を比較すると、ほぼ成長したところしか見つからないので、他人と比較するよりも褒める点が山ほど発見できます。
小さな成長の積み重ねを、たまにはゆっくり振り返って再確認させることは、子どもの自己肯定感をあげて気持ちを安定させるためにも必要な時間でしょう。そしてそれにより、子どもは漠然としていた自分の長所をしっかり意識することもできます。失いかけた自信を取り戻すキッカケにもなるのです。
また、イベントでも日常の姿でも、親がたくさん自分の写真を残しているのだと伝えることで、子どもは、「自分のことをちゃんと見てくれていたのだ」と認識することができます。自己肯定感の揺れを支えていくためにも、携帯にしまわれたままの写真を取り出してどんどん子どもに公開していきましょう。