それに黙っていなかったのが、菅首相だ。次期会長を巡っても、菅VS小池という構図が浮かび上がった。

「山下氏の会長案は、菅氏と小池氏が対立した際の妥協案で昨日の朝、飛び出した」(前出の官邸関係者)

 今回の後継選びでプラスとなったのが、候補者検討委員会を非公開にしていたことだ。選考過程がオープンになっていないため、菅首相の意向を反映しやすく、最終的には橋本氏という流れとなった。

「菅首相は本音では小池さんが大嫌い。これを機に政治的立場を有利にしようという小池氏の魂胆に反撃したいとの思いがあった。菅首相は低迷する支持率を、アップさせるためにはなんとしてもオリンピックを実現したい。その勢いで解散総選挙に打って出る構想を描いている。小池氏がこれ以上、目立つと、自身の立場が危うい。今回は菅首相が小池氏に電話で根回しして橋本会長にこぎつけた」(前出の自民党幹部)

 だが、森氏に近い橋本氏には「森院政」との批判も少なくない。
選考過程の非公開を問題にする理事もいる。オリンピックまであと5か月、橋本氏の手腕が問われる。(本誌取材班)

※週刊朝日オンライン限定記事

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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