日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「花粉症とPM2.5 」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。
【比較表】花粉症と新型コロナ、インフル、風邪の症状の違いはこちら
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まず初めに、前回の配信記事で子宮頸がんワクチンに関して誤った表現をしてしまいました。すぐに訂正いただきましたが、改めてお詫び申し上げます。製造元であるMSDの担当者に確認したところ、「子宮頸がんワクチン日本では、海外で製造した製品の外観検査を実施し、日本の薬機法で定める品質試験および表示包装をした上で出荷となります」との回答をいただきました。”国産”の9価H P Vワクチンは誤りでした。申し訳ございませんでした。
さて、春が近づいてきたなと感じる今日この頃。2月4日、関東地方では昨年に比べて18日も早く春一番が吹いたと発表されました。先日の日曜日(2月20日)には、お昼過ぎに20度を超え、5月並の陽気となりました。20度以上になるのは今年初めてで、2月までに20度以上を観測するのは、4年ぶりだそうです。しかしながら、また冬型の気圧配置に戻り2月らしい寒さがやってくることが予想されています。気温差の変化は体調を崩すきっかけになりますので、無理はしないで過ごしたいところです。
この時期の内科のクリニックは例年、高熱の方や咳込んでいる方、ぐったりしている方、下痢症状のある患者さんであふれます。日本では、新型コロナウイルス感染の流行が始まるまでは毎年12月ごろからA型インフルエンザが流行し、年明けから3月にかけてB型が流行していました。
しかしながら、今年の冬は新型コロナウイルス感染症と同時流行が懸念されていたインフルエンザの流行はなく、高熱や咳などの風邪様の症状を訴える患者さんの受診は少ない状態が続いています。一方で、春の気配が感じられるようになってきた2月中旬あたりからでしょうか。「花粉症の症状が出てきてしまいました……」という方の受診が増えてきました。「ずっとマスクをしているからか、鼻水はそこまで出ていないが、目のかゆみがつらい……」という声もしばしば聞かれます。