一方、井上さんは25度を超える陽気の日も出てくるとみられる春以降のマスク着用について、こう警鐘を鳴らす。
「実は、昨年8月だけでマスクをつけたことで熱中症患者1万6千人が救急搬送され、30人が亡くなったというデータが出ています。夏場にマスクを着け続けることによる熱中症は、大変危険なのです」
特に熱中症になりやすいお年寄りや子どもの場合、屋外などではマスクを外すことも必要だ。井上さんはこう続ける。
「重要なのは、手洗い、うがい、鼻洗浄、トイレの清掃消毒という効果の高い感染対策です」
リスクがどこにあるのか、どのリスクを重視するべきなのかを論理的に整理する。あらゆる「新型」の恐怖には正しく恐れ、正しく対策するしかない。(編集部・大平誠)
※AERA 2021年3月1日号