「ヘイリー氏が、共和党を統一できる唯一の候補者になるかもしれない」(スティーブンズ氏)とした。これは党内の分裂状況を見極めた上での発言とみられる。

■女性対決の大統領選も

 対する民主党は、バイデン大統領が最高齢で大統領に就任したため再出馬はせず、黒人で女性初の副大統領であるカマラ・ハリス氏が出馬すると見込まれている。

 もし、ハリス氏、ヘイリー氏の2人が、民主・共和両党のそれぞれ党指名候補となれば、米史上初の女性対決の大統領選挙となる。ヘイリー氏の一挙手一投足には、すでに米メディアの注目が集まっている。2人をめぐる報道が過熱気味になるのは、時間の問題だ。

 他方で、一部議員と無数のトランプ支持者にとってトランプの魔力はいまだに続いている。トランプ氏はマコネル氏について、「共和党はマコネル氏のような政治『指導者』が率いる限り、尊敬され、強くなることはない」と批判する声明を発表し、共和党上院トップの交代を要求した。

 22年中間選挙と24年大統領選挙までこうした状態は続くが、それに米国民がどう答えを出すのかが問われている。(ジャーナリスト・津山恵子(ニューヨーク))

AERA 2021年3月1日号

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