その一方で、これからの時代、人工弁の選択方法が変わっていくことが予想されている。

「今、手術で入れた生体弁が壊れたら、2個目の生体弁はTAVIで入れるという治療が一部の病院でおこなわれています。65歳で生体弁を入れて80歳の高齢で壊れたら、また治療をすることになりますよね。再治療ができるのであれば、65歳未満でも生体弁を入れてもいいのでは、という議論があります。機械弁は耐久度が高いのですが、抗凝固薬は生命予後が損なわれるという研究もあるのです。こうした状況を踏まえ、弁膜症の治療選択も数年後には大きく変わりうる。そのような背景も理解していただくといいと思います」(曽我医師)

 ランキングの一部は特設サイトで無料公開しているので参考にしてほしい。「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/

【医師との会話に役立つキーワード】

《小切開手術(MICS)》
内視鏡を使用し、切開が小範囲で済む術式。選択の決め手は安全にできるかどうか。条件がそろった人でないと受けられず、病院や担当する医師によって判断基準は異なる。

《正中切開》
通常の術式である正中切開はからだへの負担も大きく、回復まで比較的時間がかかる。入院期間を短くしたい、早期の職場復帰を希望するなどの場合は小切開が可能かどうかを確認しよう。

【取材した医師】
ニューハート・ワタナベ国際病院 院長 渡邊 剛医師
小倉記念病院 心臓血管外科 主任部長 曽我欣治医師

(文/編集部・白石圭)

※週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』より

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