コロナ禍で在宅時間が長くなる中、動画を視聴する人も多いはず。YouTubeや最新ドラマもいいが、過去の名作に触れてみてはいかがだろう。注目は“昭和のテレビドラマ”だ。
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「全身テレビに浸かっていたテレビっ子でした」
そう力強く話すのは脚本家の三上幸四郎さんである。都銀系システム開発の会社に3年間勤務した後、脚本家に転身した。代表作に「名探偵コナン」「特命係長 只野仁」などがある。
昭和の時代には、平成、令和以上の名作ドラマがたくさんある。ただ、今でも見ることができるとなると限られてくるが、中でも子どものころから青年期に見た、大好きなドラマを紹介してくれた。
「小さい子どものころだったけど、テレビってなんておもしろいんだろうと思いました」と最初に紹介してくれたのは「ムー」だ。郷ひろみと樹木希林のテンポのよい掛け合いが見どころの一つで、生放送や視聴者と電話で会話をすることもあった。続編の「ムー一族」ではさらにバラエティー的なドラマに変貌(へんぼう)していった。
「『ムー』『ムー一族』はドラマなのに、ドラマを壊している、脱ドラマだと思います」
続いて「パパはニュースキャスター」(伴一彦脚本)。独身主義の鏡竜太郎(田村正和)が突然子ども3人の親になる、子育て奮闘記である。
「当時流行(はや)っていた『オレたちひょうきん族』の影響でしょうが、内輪受けのパロディーも多く、テレビがより視聴者に近づいた感じがします」
ドラマでは鏡キャスターが、久米宏や逸見政孝など本物のニュースキャスターと比較されるという場面もあった。
「この作品は、それまでのドラマとは違う切り口でドラマ第2世代という感じがします」
また時代劇は70年代に注目してほしいと。「水戸黄門」や「大岡越前」など勧善懲悪ものも支持されたが、時代に合わせたダークヒーローも活躍していた。「木枯し紋次郎」「必殺仕掛人」「子連れ狼」などがある。