引退セレモニーでは、2人の娘とピッチに上がるという夢を叶えた(撮影/写真部・東川哲也)
引退セレモニーでは、2人の娘とピッチに上がるという夢を叶えた(撮影/写真部・東川哲也)

 元サッカー日本代表の内田篤人さんは、現在元気いっぱいの長女(4歳)とそろそろ卒乳を計画中の次女(1歳)の子育てに奮闘中。もともと子どもが大好きだったという内田さんに子育てについてお話を伺いました。好評発売中のアエラムック「AERA with Baby 解決!子育ての基本の悩み」に掲載されたインタビューをお届けします。

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──初めてお子さんが生まれたときはどんな気持ちでしたか?

 1人目のときは、僕はドイツのチームでプレーしていたので、妻は日本で里帰り出産をしました。初めての対面は生まれてから1カ月後。弾丸で娘に会いに1週間ほど帰国しました。小さくて、軽くて抱っこしている感じもしないくらいでしたが、本当にかわいかった。

 子どもが生まれる前は、サッカーを第一優先でやってきましたが、子どもが生まれるとサッカーより大切なものができたなあと感じました。自分はこの子を誕生させるために生まれてきたんだ、生きてきたんだと思いました。そして、人が命をつないでいく意味とはこういうことなのかなと考えました。

──はじめての子育てはどうでしたか?

 一緒に生活するようになってからは、なんで泣いているのかわからなくて妻とふたりで途方にくれたり、おむつ替えやお風呂などお世話することがたくさんあったりで、本当に大変。でも、やっぱり楽しいんですよね。

 娘がちょっとしたときに僕のところにやってきて、ぎゅっとしてくれたり、足に巻き付いてニコニコと笑ってくれたりすると、僕の子どもだな、父親になったんだと実感もわいてきましたね。

 また自分の両親への感謝の気持ちが強くなりました。僕は高校時代サッカーの強豪校に進学したので、片道に1時間半かけて通学していました。両親は毎朝4時半に起きてお弁当を作って、送り迎えをしてくれるなど、さまざまなサポートをしてくれました。僕は毎日、クタクタだけれど、やりたくてやっていること。けれど親は本当に大変だったと思いますし、今、親になって子どものためなら何でもやってあげたいなと思う気持ちがとてもよくわかります。

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やっぱりママにはかなわない