国内でもコロナワクチンの接種が始まった。ワクチンにはメリットもあればリスクもある。打つかどうかを決める上でも、できるだけ多くの情報を参考にしたいところだ。ただ、肝心のワクチンは政府の計画どおりに供給されていない。どうやら政権内の足並みに乱れが起きているようだ。
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ある官邸関係者があきれながらこう言う。
「菅(義偉)政権にとっては五輪開催だけが浮揚の望み。接種が1回でも問題ないとか、もう何でもありです。それで誰も責任を取ろうとしない」
欧米に比べてワクチン接種の開始が2カ月も遅れたうえ、供給体制も当初の計画どおりに進めることは困難な状況になっている。米ファイザーとの基本合意では6月末までに6千万人分(1億2千万回分)供給されるはずだったが、正式契約では7200万人分を「年内」に変更された。
今後の接種日程について、河野太郎ワクチン担当相はフジテレビの報道番組に出演した際、「5月に入るとワクチン供給は増加し、供給自体がボトルネックにはならない」と見通しを語った。
「ワクチン契約のいい加減さを厚生労働省の責任にして、自分はその失敗を何とか挽回するために奮闘しているかのように振る舞っています。いまは内輪揉めをしている場合ではないのですが」(官邸関係者)
今後、英アストラゼネカ製と米モデルナ製ワクチンが承認される予定だが、果たしてコロナワクチンに全幅の信頼を置けるのだろうか。まずはリスクに関する情報を押さえておきたい。
米大リーグで活躍したハンク・アーロン氏(享年86)の急死も、ワクチン接種への懸念を広げることになった。アーロン氏は1月5日にコロナワクチンを打ち、22日、睡眠中に死亡した。現地の監察医はワクチン接種とは関係なく、「自然死」との見解を示している。
だが、薬害問題に詳しいNPO法人「医薬ビジランスセンター(薬のチェック)」理事長の浜六郎医師はこう見る。
「ワクチン接種と突然死は深い関係にあります。睡眠中に低酸素状態になると、脳の呼吸中枢が感知して『もっと強く呼吸を』と指令します。ところが、ウイルス感染や細菌感染によって体内に炎症反応が起きると、プロスタグランジンという物質がつくられ、それが脳の呼吸中枢をまひさせることがある。疑似的な感染であるワクチンでも同じことが起こり得ます」