なんだか辛気臭くなったから、最後は好きな春の味覚の話でもしようか(笑)。まず、春の味覚といえば山菜だ。タラノメやフキノトウなど、苦味が強い山菜を天ぷらにして食べるのがイイね。子どもの頃は肉の方が豪勢で、山菜は貧しい食卓って思っていたから、全然ありがたくなかったけどね(笑)。
でも今じゃあ、肉より山菜の方が高かったりするだろう。春の苦味のある食べ物はからだの毒素を出してくれると聞いて以来、それを信じているから春になると必ず食べる。それに初物や季節の旬のものは食べると長生きするっていうからね。しっかり食べて長生きしないとな。ちょっと先だけど、初ガツオもイイね。秋の戻りガツオもいいけど、春先のカツオもさっぱりしていてうまいよね。
それから大好物は「たまたまサラダ」だ。これは新たまねぎをスライスしたものに卵黄を乗っけて、鰹節とポン酢をかけて食べるんだ。これもウマイから食べてみるといいぞ! やっぱり楽しいことや好きな食べ物のことなんかの明るい話で締めるのが、春らしくてイイね!
(構成・高橋ダイスケ)
天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。