治療は手術が第1選択となる。開腹、腹腔鏡に加え、2018年には手術支援ロボット、ダビンチによるロボット手術も保険適用になった。
腹腔鏡、またはロボット手術が適応になるのは、タイプ1のIA期で、がんが子宮体部にとどまり、がんの深さが子宮の筋肉の層(筋層)の2分の1未満で、悪性度が低い場合に限られる。悪性度が高いタイプ2と呼ばれるものやIB期以上では、一般的に開腹手術が必要になる。
腹腔鏡での手術が適応になる場合、ロボット手術を受けたいと考える人も多い。しかし保険適用になって日も浅いため、実施している病院はそれほど多くない。北海道がんセンターの加藤秀則医師はこう話す。
「腹腔鏡手術の実績の多い病院なら、ロボット手術でなくても、確かで安全な治療が受けられるでしょう」
手術の合併症・後遺症のなかで、軽度なものも合わせると、約3割の人にあらわれるリンパ浮腫(むくみ)は、生涯にわたって悩まされるケースもある。リンパ節郭清の必要性や範囲をたずね、予測されるリンパ浮腫の程度を確認することも必要だ。
一方、進行した子宮体がんには、複数の抗がん剤を組み合わせた薬物療法が選択される。18年に保険適用になった免疫チェックポイント阻害薬にも、期待が寄せられている。
がん研有明病院の金尾祐之医師は次のように話す。
「進行例では、手術で可能なかぎりがんを取りきることも重要ですが、薬物療法をしっかりおこなうことが治療のカギとなります。薬物療法にも力を入れているかどうかが、病院選択のポイントになるでしょう。詳しく説明してもらうことをおすすめします」
■子宮頸がんは放射線治療の症例数にも注目
子宮頸がんは、がんが子宮頸部に限局していて、大きさが4センチ以内のIB1期までなら手術の適応になり、子宮周辺の組織やリンパ節を切除する「広汎子宮全摘出術」が実施される。難度が高く、医師の技量が問われる手技だ。病院のホームページなどで同術式の手術数を確認してほしい。