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週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』より
週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』より

 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から得た回答結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。また、実際の患者を想定し、その患者がたどる治療選択について、専門の医師に取材してどのような基準で判断をしていくのか解説記事を掲載している。ここでは、「難聴・耳鳴り」の解説を紹介する。

【図】難聴・耳鳴り治療の選択の流れはこちら

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 高齢化に伴い難聴に悩む人は増加しているが、日本では耳鼻科を受診する人や補聴器を装用する人がまだ少ない現状がある。一方で、近年では難聴と認知症やうつ病などとの関連を指摘する研究報告もあり、社会的な関心が高まっている。認知症については、2017年の国際アルツハイマー病会議で、ランセット国際委員会より「認知症の予防可能なリスク因子のうち、最大のリスク因子が難聴である」という報告があった。それはつまり、難聴を放置しないことが、認知症を予防することにつながるということだ。

 そのような背景から日本耳鼻咽喉科学会では難聴対策への積極的な取り組みを続けており、2019年には自民党・難聴対策推進議員連盟により、全ての難聴者(児)が心豊かに暮らせる社会の実現を目的として「Japan Hearing Vision ~ライフサイクルに応じた難聴者(児)支援を実施するために~」が提唱された。今後、乳幼児から高齢者まで、年代や原因に応じた難聴対策が進むことが期待される。

 近年、補聴器や人工内耳などの人工聴覚器の進歩は目覚ましく、性能・機能ともに大きく向上している。また、一般的な補聴器や人工内耳・人工中耳などのほか、骨伝導による補聴器(骨固定型補聴器:Bahaシステム)や、補聴器と人工内耳を組み合わせたハイブリッドタイプ(残存聴力活用型人工内耳:EAS)などもあり、治療の選択肢は広がっている。

 難聴には、さまざまな原因があり、原因に応じた治療選択が必要だ。例えば、急に発生した難聴では突発性難聴の可能性が考えられ、その場合は早急な治療が必要になる。

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