AERA 2021年4月5日号より(写真:sunahoプロジェクト提供)
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AERA 2021年4月5日号より(撮影/写真部・高橋奈)
AERA 2021年4月5日号より(撮影/写真部・高橋奈)
AERA 2021年4月5日号より(写真:西村修さん提供)
AERA 2021年4月5日号より(写真:西村修さん提供)

 雨後のタケノコ、という言葉があるように、その成長の速さで知られる竹。それが今、「地球に優しい素材」として注目を浴びているという。AERA 2021年4月5日号では、竹を原料にした製品を手がける企業に取材した。

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 普段なにげなく使っているのに、緊急時には真っ先に店頭から消えるトイレットペーパー。日本で流通してきたのは、古紙か木材パルプを原料とするものだったが、竹だけで作った「バンブーロール」が定期便で自宅に届くサービスがこの春、始まる。

 運営するのは、2020年末設立のスタートアップ「おかえり」。長野県と米国、エストニアに住む共同創業者の3人は、ちょっと前まで製紙とは縁もゆかりもなかった人たちだ。一体なぜ、竹でトイレットペーパーを作ることになったのか。代表取締役の松原佳代さんは言う。

「木は成木になるまで10年以上。竹は3カ月で10メートルも成長し、3年程度で成竹になります。針葉樹や広葉樹より二酸化炭素(CO2)を多く吸収するというデータもあり、利用することで地球に優しい循環が生まれます」

 松原さんはIT企業のカヤック出身。移住のマッチングサービスを手がけていた最中の2019年、自らも米国ポートランドに移住した。環境意識の高いその街ではペットボトルやレジ袋を持つ人はいない。自宅で日本から持ってきたプラスチック製品がやけに目につき始めた頃、コロナ禍が起きた。さらに近郊で山火事が発生。家の中まで煙が立ち込め、頭痛に苦しんだ。

「地球環境問題は他人事じゃない。子ども2人を育てる親として、何もしないという選択肢はもはやないと強く感じました。私はたまたま移住して気づきましたが、他の人も身近なところにきっかけがあれば意識は変わるはず。であればライフスタイルの転換を提案するビジネスをしようと。真っ先に浮かんだのがトイレットペーパーでした」

 日本の1人あたりのトイレットペーパー消費量は世界4位。リサイクルできる古紙は従来コストが安かったが、古紙不足で最近は割高だ。そこで素材として興味を持ったのが竹。米国では竹の絆創膏やストローなども普通に売っていた。カヤックの元同僚ら2人に声をかけ、急ピッチでリサーチを進めた。竹林が多い中国にはトイレットペーパーを作る高い技術があることがわかり、CO2を出さない水力発電の工場を探し出した。

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