「3、4年前から言われ始めたことだが、視聴率が高くてもコアターゲットとなるF2(35歳~49歳の女性)が見ていないと将来的にヤバイとテレビ局側から言われるようになった。ようは、それ以外の層だと広告がとれないから」(放送作家)

 テレビ業界も、現役世代を取り込もうと、ようやく本気を出し始めたということなのだ。

 今回の番組改編に直接関係はないものの、才能とお金は成長分野に集まるのが世の常。若い世代を中心に生活に浸透しているメディアといえば、YouTubeなどのネットの動画配信サービスだ。こうしたトレンドも少なからず、テレビ業界のあり方に影響しているとみられる。テレビを主戦場にしていたタレントや著名人、さらにはコンテンツ制作に携わる人びとが、相次いで動画配信サービスに参入。最近では、3月22日に坂上忍が自身のYouTubeチャンネルを開設した。

 30代のYouTubeプロデューサーは言う。

「バラエティー畑で育ってきた人たちが『テレビで番組を作りたい』というより、『もうYouTubeでいいじゃん』となってきている」

 なぜテレビからYouTubeに人材が流れるのか。理由の一つは、コンテンツ制作の自由度が魅力的に映るからだという。

「テレビは規制が厳しくなり、コンプライアンス的にアウトになる場合が多い。昔あった水着水泳大会のポロリは論外。ダウンタウンがやっていた過激なコントもアウト。Amazon プライム・ビデオで松本人志さんが手掛ける『ドキュメンタル』は地上波では絶対に流せない。おもしろければいいという価値観がテレビでは通用しなくなった。ニーズはあるのにテレビではできない。その隙間にYouTubeはがっつりはまっている」

 また、若手が活躍できる舞台が用意されていることも大きい。

「テレビはADから始めて王道を歩むなら、自分のやりたいことが実現するまでに何年もかかってしまう。YouTubeなら肩書も年齢も関係なく、思いついた時に実行できる。その分いいかげんな人も多いけど、光り輝く才能ある若い人も少なくない」
 

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