“小説を音楽にする”をコンセプトに誕生し、爆発的な人気を誇る音楽ユニット「YOASOBI」。楽曲制作を手掛けるAyaseさんと、ボーカルのikuraさんからなる男女2人組の初パフォーマンスは昨年の「紅白」。瞬く間にスターダムを駆け上がりました。2人の素顔に、林真理子さんが迫ります。
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林:人気者というより、もはや社会現象になっているお二人ですけど、デビュー曲の「夜に駆ける」の再生回数もものすごいですね。
Ayase:大変ありがたいことに、先日4億回を超えました。
林 ひょえ~! 4億といったら、日本の人口が約1億だから、赤ん坊も含めて全員が4回以上聴いてるってことですよね。
ikura:そういうことになりますね。
林:「夜に駆ける」って今まで聴いたことがないような不思議な曲で、私が若いころ、YMOが出てきたときと同じような衝撃でしたよ。今までのものとまったく違う世界が開けているという感じがしました。
Ayase:光栄です。
林:YOASOBIさんは「小説を音楽にする」というコンセプトのユニットで、「夜に駆ける」も、投稿サイトでグランプリをとった小説(「タナトスの誘惑」星野舞夜)を題材につくった曲なんですよね。
Ayase:はい、そうです。
林:リリースした直後の反応ってどうだったんですか。
Ayase:正直なところ、ここまでとんでもなくヒットするとは思ってなかったです。楽曲をリリースしたのが2019年で、いろいろな賞をいただいたのが20年、NHKの「紅白歌合戦」に出させていただいたのも20年です。ジワジワと1年かけて皆さんに知ってもらえる曲になったので、いつの間にか僕らの想像も及ばないような現象が起こっているなというのが、少し俯瞰的な位置から見たときの印象でしたね。
林:でも、「これ歌ってる人、誰?」というリアクションは、すぐあったんじゃないですか。
ikura:ミュージックビデオもアニメーションで、自分の顔を出しているわけではなかったので、「歌ってるのは誰だ?」みたいなリアクションはすごくありました。私自身はシンガー・ソングライター「幾田りら」として名前も顔も出してソロで活動していましたが、その私と「ikura」が同じ人だとは、ぜんぜん知られてなかったです。