林:小説を題材にされているユニットということですけど、いま人気の若い作家の小説からは、あんまりインスピレーションを感じなかったんですか。
Ayase:楽曲にするにあたって、既存の小説に対して僕たちが依頼をするという形はとってなくて、「夜に駆ける」にしても、「monogatary.com」という小説投稿サイトで僕らが主体となってイベントをやって、そこでグランプリをとった星野舞夜さんの小説を僕らが楽曲にしたんです。
林:YOASOBIの主導で小説を募集するんですか。
Ayase:そうですね、基本的には。
林:普段からご本はお読みになるんですか。
Ayase:僕、漫画とかは読むんですけど、正直あんまり小説は読まないんです。小説に対するハードルの高さみたいなものは感じていて。ですが小説投稿サイトで投稿されている小説は、書いている人の多くは一般の方で、自分の中から出てくるものを何とか形にしようとしているものが多くて、僕みたいに小説にハードルを高く感じている人間も踏み込みやすかったんです。
林:なるほど。古典には興味ないですか。太宰治なんかおもしろい世界が開けそうな気がしますけど。
Ayase:まだ考えたことないですけど、興味はありますね。僕自身、ふだん小説は読まないといっても、好きではあるというか、実際に読み進めると、結局「おもしろかったな」となるので、興味はあります。
林:ikuraさんも本はあまり読まないですか。
ikura:私は漫画より小説のほうをよく読みますね。宮下奈都さんとか。好きなのは『ふたつのしるし』という作品です。
林:しかし、YOASOBIの主導で小説を募集したら、ものすっごい応募数が集まるんじゃないですか。
Ayase:最近も一つテーマを決めてコンテストを開催しましたが、約5千通応募がありました。
林:5千通! YOASOBIさんに歌にしてもらえるとなったら、そりゃ若い人たち張り切りますよね。