「スマホ育児」という言葉を聞いて、皆さんはどんなイメージを抱きますか。この文明の利器により、私たちはさまざまな情報サイト、アプリ、学習教材にアクセスできるようになりました。愛するわが子のベストショット、ベスト動画、初めてしゃべったことばや歩いた日付などもすべてスマホに保存されていて、今やスマホなしでは子育てが成り立たないお父さんお母さんも多いのでは。私もそのひとりです。毎分毎秒のようにお世話になるスマホ。それでも、「スマホ育児」にはネガティブなイメージを持っているかたが多いのではないでしょうか。私もそのひとりです……。
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子育てをしていると、とにかく「現代の親はスマホに依存しすぎだ」「スマホに子守をさせないで」と、スマホ育児に対する否定的な情報が目に入ってきます。確かに使いすぎはよろしくありませんが、そんな情報に日々接していると「確かに我々は依存気味だよな」と思い込み、「子どもには絶対スマホを見せないようにしなくては」と気負ってしまうかたもいるのでは。でも、アメリカで約5年間子育てし、最近日本に帰ってきた身として言わせてください。日本のお父さんお母さん、ぜんっぜんスマホ依存ではありません。
電車やバス、公園や児童館など公共の場に行って驚くのは、日本の保護者がスマホをいじる頻度の低さです。アメリカだと、子どもを遊ばせているそばで保護者がスマホを眺めているのが常態。はた目から明らかにベビーシッターだとわかる人たちもずっとスマホを見ているので呆れてしまいます。体操教室などの習い事、図書館の読み聞かせタイムのような場でも、ここぞとばかりにスマホをのぞきこんでいる保護者の姿をよく見ます。保護者がそうですから、子どもにもかなりの頻度でスマホを見せています。
スマホだけではありません。パソコンやタブレット、テレビ、ゲーム機も同様です。アメリカではこれらの機器をまとめて「スクリーン」と呼び、建前としては「スクリーンばかり見せていてはいけないよね」といわれるのですが、まったく守られていないのが実情です。スーパーではご機嫌取りのため子どもにスマホやゲーム機を渡し、1日中テレビをつけっぱなしのデイケアがあり、小児科や子ども向けの歯科へ行くと気を逸らすためにテレビがつけられます(もちろんスクリーン禁止のポリシーを掲げているデイケア等もありますが、全体の傾向としてはスクリーン依存)。