落語家・春風亭一之輔氏が週刊朝日で連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「LINE」。
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2019年の7月にガラホからスマホに変え、LINEを始めてまだ2年足らず。弟子に設定してもらった。
弟子A「これで『LINE』出来ます」
私「ありがとう。で、お金どれくらいかかるの?」
A「無料ですよ。電話もタダでかけ放題です」
私「タダっ!? つーか、LINEって通話も出来る?」
A「LINE、やってる人同士なら出来ますよ」
私「そうか……みんな、LINEやってるかな?」
A「日本人の半分くらいがやってるみたいですよ」
私「みんなもやってるのか?(3人の弟子にむかって)」
BCD「(声を揃えて)やってます」
私「なぜそんな便利なものを早く師匠に勧めない?」
A「……師匠はあまり必要ないのかなと思いまして」
私「ちょっとは勧めたらいいじゃんか! 今まで『LINEやってないんですか?』って聞かれて『はい、必要ないもんで』って応えてたけど、みんな複雑な顔してメルアド交換してたんだよ! あれは『めんどくせえな』ってそういう顔か!?」
全員「でしょうね」
私「わ!! 『よろしくお願いします』ってきた!」
B「私が送りました。返信してみてください」
私「『今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます』」
B「なんでそんなに丁寧なんですか……」
私「お!! 『既読』って出た! これか! 有名な『既読スルー』というのは!? 『LINEいじめ』!?」
B「スルーではないです。いじめてもないです」
ACD「一門のグループつくりますね。メッセージ送るとみんなに届くんです」
私「どういうこと? 『連絡網』みたいなこと?」
A「違いますね」
私「大浴場に浸かって皆でお喋りしてるかんじか?」
A「そうです(テキトーに)。とりあえず、ここの『友だち自動追加』というところは絶対に許可しないでください。面倒なことになりますので」