今年ソロデビュー10周年を迎えたLiSAさんがAERAに登場。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌「炎」は、コロナ禍の中、多くの人に響き、心を支える歌になった。AERA 2021年4月26日号から。
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「これまでもアニメの主題歌をやらせて頂くことが多かったんですが、常に作品と誠実に向き合ってきました。そうやって出合えた作品が、楽曲も一緒にこんなに多くの方に受け入れてもらえた。今までの自分を誇らしく思えた出来事でした」
空前の大ヒットとなったアニメ「鬼滅の刃」の主題歌で大ブレークを果たした。テレビアニメ版の「紅蓮華」に続き、劇場版の主題歌「炎」は、YouTubeでMVを公開すると2カ月で1億回視聴を突破。2年連続で紅白歌合戦に出場し、「日本レコード大賞」も受賞した。世界最大手の音楽配信サービスSpotifyでは、昨年「海外で最も再生された国内アーティスト」と「楽曲」の1位を獲得。とんでもない記録を次々に樹立したが、身の回りの変化を尋ねると、「お子さんからのファンレターが増えた」とうれしそうに微笑んだ。
「一緒に歌いたいとか、私が歌っている姿と禰豆子、手紙を送ってくれたお子さんの自画像みたいな絵が届くことも多くて。作品の歌としてだけじゃなくて、LiSAとしてお子さんの“今”に関われている。それはすごく幸せなことだと思います」
4月にソロデビュー10周年を迎える。記念のミニアルバムには「LADYBUG」というタイトルをつけた。
「テントウムシという意味なんですけど、“テン”だし“トウ”だしピッタリ(笑)。テントウムシって指にのせても、永遠に昇り続けて、最終的には天に向かって飛んでいく。その姿は、何ができるのか探し続けて、希望に向かって走り続けてきた自分の活動のようだな、と。これからも一つ一つに誠実に向き合って、自分に嘘をつかずに歌っていきたいです」
聴くだけで元気になれる。生きる勇気が湧いてくる。日本にはLiSAの歌声が必要だ。(ライター・大道絵里子)
※AERA 2021年4月26日号