■2位:小園健太(市和歌山)

 総合力では高校ナンバーワンで、選抜でも改めてその実力を見せつけた。スライダー、ツーシームと対になるボールを巧みに操って相手打者の狙いを外し、ここ一番ではストレートもしっかりスピードアップする。投球術に関しては大学生や社会人と比べても目立つレベルだ。体つきもこの冬で明らかに大きくなっており、プロ入り後も比較的早くから一軍の戦力になる可能性が高そうだ。

■1位:佐藤隼輔(筑波大)

 現時点で総合的に考えてナンバーワンと言えるのがこの佐藤だ。最速151キロのサウスポーというだけでも希少価値が高いが、ボールの出所が見づらいフォームで制球力も高く、安定感は昨年の早川隆久(早稲田大→楽天1位)に迫るものがある。この春も高い注目を集める中で、リーグ戦初戦ではいきなり完封勝利をマークした。左の先発タイプが欲しい球団は多いだけに、1位競合は必至の状況と言えるだろう。

 高校生では小園と達、大学生では佐藤、社会人では広畑が今のところ1位有力と言えそうだ。また、これから公式戦がスタートする風間、椋木の2人もここから評価を上げることは十分に考えられる。特に高校生は春から夏にかけて一気に浮上してくる選手もいるだけに、今後新たな上位候補の登場にも期待したいところだ。(文・西尾典文)

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●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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