世論調査の数字を見ると、河村氏、横井氏が横並びで大接戦。河村氏が優勢としている世論調査も僅差だった。
苦戦の理由は、河村氏も参加した2019年の愛知県の大村秀章知事のリコール活動の中、集めた署名に「偽造」があった疑惑が浮上したことだ。
現在、愛知県警が捜査し、河村氏にも疑惑の目が注がれ、圧勝ムードが一転した。
横井氏は演説で「河村氏は偽造署名に関与したのか、きちんと説明すべき」とリコール問題を徹底的に追及する。
「いや、大変だわ。厳しいよ。こういう選挙は体によくない」と河村氏は苦笑する。演説でも偽造署名問題で攻め込まれ、つい愚痴が口に出る。
しかし、2人の演説を見ていると、河村陣営は声がするだけで、自然と人が集まってくる。
「河村氏の選挙の強さは、とんでもにやぁでよ」と横井陣営の自民党市議は話す。今週に入り、期日前出口調査でも河村氏がリードし、本領を発揮し始めた。
3つの国政選挙と名古屋市長選挙を落とすと4連敗となる菅政権。
「河井夫妻と親しかった菅総理は今回、広島でまったく動けない。かなりイライラしているようだ。想定はしているが、実際に負けると4連敗と大きくマスコミは報じる。そこに4都道府県への緊急事態宣言とダブルパンチ。コロナ・ワクチン不足、東京五輪・パラリンピックへの対応いかんでは、菅政権が転覆しかねない」(自民党幹部)
衆院解散を前に、菅政権は大きなピンチに直面している。
(今西憲之)