ピンチが続く菅義偉総理(C)朝日新聞社
ピンチが続く菅義偉総理(C)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る
野党統一候補の宮口治子氏のラブラブ写真
野党統一候補の宮口治子氏のラブラブ写真

広島選挙区の応援に入った岸田元外相と西田英範候補
広島選挙区の応援に入った岸田元外相と西田英範候補

街頭で演説する河村たかし名古屋市長
街頭で演説する河村たかし名古屋市長

 新型コロナウイルスの感染が拡大している東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に23日にも緊急事態宣言を再発出する方針をようやく固めた菅義偉総理。その背中を押したのは、皮肉にも「犬猿の仲」とされる小池百合子東京都知事だった。

「小池さんは20日には自民党本部を訪れ、二階俊博幹事長に直訴、さらに公明党の山口那津男代表や自公の複数の幹部に接触し、緊急事態宣言への理解と協力を求めたそうです。東京五輪やゴールデンウイークの外遊を気にして最後まで判断を渋った菅官邸の外堀を埋めました」(自民党関係者)

 小池知事は派手なパフォーマンスばかりが注目されるが、その裏には緻密な根回しがあるという。

「水面下の根回し、外堀を埋めて追い詰める政治力を含め、相当したたかですね。菅総理を飛ばして二階幹事長に直訴するなど平気でケンカ仕掛けるようなことをするから官邸から嫌われるのでしょうけど…。菅総理としては『自らが判断した』と国民へのリーダーシップのアピールは譲れません。休業要請の対象範囲など具体論で官邸は大阪や東京を突っぱねています。財源の問題もありますが、一番は『首長の言いなりにはならない』という意地の問題。菅総理は都道府県の個別要請を簡単に受け入れるつもりはない。麻生財務相も吉村知事に対し、嫌悪感を露わにしています」(同前)

 さらに4月25日には全国で3つの国政選挙、愛知県名古屋市長選の投開票がある。衆院北海道2区は、吉川貴盛元農相が鶏卵疑惑で起訴され、議員辞職となったので自民党は候補者を立てず、不戦敗。参院長野選挙区は、羽田雄一郎元国交相がコロナで急死したための補欠選挙だ。雄一郎氏の実弟で、野党統一候補の羽田次郎氏が、自民党の元衆院議員、小松裕氏を世論調査で大きくリードしている。

 とりわけ激戦となっているのが、元法相・河井克行被告と妻の案里氏の公職選挙法違反事件で再選挙となっている参院広島選挙区だ。

 自民党は元官僚の西田英範氏を擁立。野党は統一候補としてアナウンサーの宮口治子氏を立て、事実上の一騎打ちとなっている。世論調査の数字は、どこも拮抗している。

 告示日から間もない世論調査では西田氏より宮口氏が優勢だった。しかし、先週末の世論調査では西田氏と宮口氏がほぼ横並びになった。原因は宮口氏のスキャンダルだ。

次のページ
大激戦の広島の選挙の行方