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「デジタル技術を活用して、顧客に価値を提供できるDX(デジタル・トランスフォーメーション)人材。そのニーズが採用マーケットで高騰しています。それは同時に、オールドタイプの企業に組織・文化の変更を迫る起爆剤にもなっています」
『デジタル技術で、新たな価値を生み出す DX人材の教科書』(朝日新聞出版)の著者で、480社以上にDX人材教育サービスを提供する株式会社STANDARDのCEO、石井大智さんが、DX人材の争奪戦がもたらす「ディープ・インパクト」について解説します。
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■「DXリテラシーの高い文系人材」のニーズが上昇中!
最近、新卒採用でも中途採用でも、目に見えて「DX人材」の募集が増えています。国の「デジタル庁」設置の影響もあって、県が「DXセンター」といったセクションを立ち上げるなど、公的セクターが本格的にデジタル技術の活用に取り組み始めたのが大きな要因でしょう。
もちろん民間セクター、特にグローバルに事業を展開している企業は、それ以前から積極的にDX人材を集めています。
募集対象は、エンジニアやデータサイエンティストに限りません。当たり前ですが、彼ら彼女らだけでDXプロジェクトは成功するはずがない。プロジェクトマネジャー(PM)など、企画・開発・運用の各フェーズを総合的にマネジメントできるビジネスサイドの人材も積極的に募っています。両者がそろわなければ「組織」として機能しないのだから当然でしょう。
盛んに「エンジニア不足」が叫ばれ、その人材集めがブームになったのは3年ほど前です。それがいったん落ち着いたのは、「エンジニアだけではDXを推進できない」という当たり前のことに、多くの企業がようやく気づいたからとも言えます。
つまり、いま最も求められているDX人材とは、エンジニアサイドとビジネスサイドを橋渡しできる、いわば「DXリテラシーの高い文系人材」なのです。
■「DXのプロ」を採用できない一番の理由
文系・理系問わず、「DXのプロ」を既存の給与テーブルとは別軸の数千万円という高額の報酬で集めようとしている企業も少なくありません。でも、それで優秀なDX人材の採用、その後の人材活用がうまくいくかどうかは、かなり微妙だと思います。