実際、多くの企業は思うようにDX人材を採用できていません。なぜか。それは彼ら彼女らが高額の報酬だけでは決して動かないからです。「DXのプロ」が転職する大きな動機は「この会社なら大きな成果を出せそうだ」という期待です。なので、会社を選ぶ時には成果が出やすい「組織環境」かどうかをシビアに判断します。

 彼ら彼女らの一番の懸念は、自分のような「外様の人材」が社内で異色扱いされがちな企業文化です。なので、たとえば社長がDXの必要性を理解していないなど、DXの話が通じないようなオールドタイプの会社には決して行こうとしない。つまり、「DXのプロ」は孤軍奮闘に陥りそうな、経営層を含めて、DXリテラシーの低い会社を避けるわけです。

 要は、人寄せパンダ的な会社のPRが目的なら別ですが、本当にDXが目的であれば、企業は同時に、DX人材がちゃんと活躍できる「組織環境」を作っておかないといけない。「DXのプロ」が孤立するような旧来の組織・文化のままでは、優秀な人材も採用できないし、運よく採用できたとしても、肝心のDXプロジェクトは全く進まないでしょう。

■DX人材が行きたい会社、6つのポイント

 DX人材が大きな成果を上げられるように、企業はどう「組織環境」を整えていけばよいのか。そもそも彼ら彼女らのミッションであるDXとは、「デジタル技術を活用して、顧客に付加価値を与えられる組織・文化を創り続けること」です。その実現のためには、会社全体を巻き込んでプロジェクトを推進する必要があります。

 つまりDXに成功するには、トップが経営方針として全社的にDXに取り組んでいくことを明確に掲げる、DX人材が横断的に各部門とコミュニケーションできる体制にしていく、全社員のDXリテラシーを上げていくといった環境整備が不可欠なわけです。

 もちろん経営層には、その前提となる「顧客目線の経営戦略」をしっかり構築しておくことが求められます。

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