コロナ禍の影響もあり、近年は苦境の音楽業界にあって、アニメソングがひと際存在感を放っている。
【写真】再生回数が2億回を超えるアニソンを歌った女性歌手はこの人
昨年は歌手のLiSAが歌う人気アニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の主題歌の『炎』が「第62回日本レコード大賞」に選ばれた。また、演歌歌手の氷川きよしによるアニメ「ドラゴンボール超」の主題歌『限界突破×サバイバー』がおととしに続き、2年連続で「NHK紅白歌合戦」で披露されて番組を盛り上げるなど、大人にもアニソンが浸透してきた感がある。
「今では毎月のように音楽チャートの上位をにぎわせるようになったアニソンですが、昭和の時代はアニメの主題歌というと、どうしても子ども向けという印象がぬぐえず、音楽業界内ではポップスや歌謡曲、演歌より“下”に見られる傾向がありました。しかし今は日本アニメの海外人気も手伝って、アニソンは世界中にファンを持ち、国内の音楽業界をけん引する存在になっています」(音楽ライター)
そうした中、意外な人気ミュージシャンも下積み時代やデビュー間もない頃などにアニソンに関わっていたことが明らかになっている。芸能ジャーナリストの竹上光氏は語る。
「故やしきたかじんさんがブレーク前に『機動戦士ガンダム』の劇場版第1作の主題歌で、いまだにアニメファンの間では名曲の呼び声も高い『砂の十字架』を歌っていたことは有名です。また、『いつまでも変わらぬ愛を』などの名曲で知られ、音楽プロデューサー、作曲家でもある織田哲郎さんがテレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』のオープニングテーマ『炎のさだめ』をTETSU名義で歌っていたのは、アニメファンの間では広く知られています。演歌歌手の天童よしみさんもブレーク前に別名義でテレビアニメ『いなかっぺ大将』の主題歌を歌っています」
演歌とアニソンというと音楽のジャンルとしては“真逆”のイメージもあるが、氷川や天童以外にも北島三郎がNHKのアニメ番組「おじゃる丸」のオープニングテーマの『詠人』や『夢人』を歌っているほか、細川たかし(=テレビアニメ「おそ松くん」の主題歌)や小林幸子(=「ポケットモンスター」のテレビアニメ&劇場版の主題歌、劇場版「クレヨンしんちゃん」)、八代亜紀(=テレビアニメ「とっても!ラッキーマン」の主題歌)などの人気歌手もアニソンを歌っており、じつは縁が深いようだ。