また、大物アーティストでいえば、ロックのカリスマの矢沢永吉もNHK BSのアニメ「おまかせスクラッパーズ」の主題歌やアニメ映画「劇場版 ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記」のエンディングテーマ曲を、故忌野清志郎さんも謎のロックユニット「LOVE JETS」名義でテレビアニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディングテーマを担当している。
「矢沢さんの『ドラえもん』以外にも人気アニメが映画化される際に大物ミュージシャンの楽曲が起用されるケースは多いんです。古くは沢田研二さんが歌う劇場用アニメ映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』のエンディングテーマ『ヤマトより愛をこめて』やゴダイゴによる映画『銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)』の主題歌などがあります」(前出の音楽ライター)
さらに、前出の竹上氏は数多くの人気アーティストが主題歌を担当した“伝説のアニメ”について語る。
「高橋留美子さんの人気漫画を原作にしたアニメ『犬夜叉』に関しては放映当時『エイベックス』に所属していたアーティストが主題歌を歌っており、安室奈美恵さんや浜崎あゆみさん、V6、タッキー&翼、Every Little Thingなど、かなりの豪華メンバーがそろいました。ちなみに、浜崎さんはエンディングテーマの『Dearest』で『日本レコード大賞』を受賞、安室さんは他にも『忍たま乱太郎』や『ONE PIECE』、『劇場版ポケットモンスター』などの主題歌も担当しています」
もうすこし時代をさかのぼると、80年代、90年代には女性アイドルの活躍も目立っていた。
森口博子は、デビューシングル『水の星へ愛をこめて』がテレビアニメ「機動戦士Zガンダム」の後期オープニングテーマに起用されたほか、テレビアニメ「鎧伝サムライトルーパー」の後期オープニングテーマ『サムライハート』などの作品でも知られる。山瀬まみ(テレビアニメ「機甲戦記ドラグナー」、テレビアニメ「ホワッツマイケル」)、高橋由美子(テレビアニメ「魔神英雄伝ワタル2」)、西村知美(テレビアニメ「がんばれ!キッカーズ」)、酒井法子(テレビアニメ「アニメ三銃士」、OVAアニメ「トップをねらえ!」)など、多くの女性アイドルたちがアニメを盛り上げてきた歴史がある。
昭和、平成、そして令和と時代とともにその地位を向上させてきたアニソンだけに、今後どんな大物アーティストがコラボを見せてくれるのか、期待は尽きない。(立花茂)