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3度目の緊急事態宣言下のゴールデンウイーク中も新型コロナウイルスが猛威をふるっている。厚生労働省によると、5月1日に全国の新型コロナウイルスの重症者は、前日から30人増えて1050人となり過去最多を更新した。大阪では連日、新規感染者が1000人を超え、連休中も医療崩壊で危機的な状況が続き、早くも再延長の議論が行われている。
「再延長の議論は官邸で完全に二分状態です。医療専門家や田村厚労相、西村経済担当相の見解は再延長派です。菅首相側近は宣言で強い休業措置を続けると経済が持たない、という意見が依然、強いです」(政府関係者)
しかし、休業、自粛要請ばかりで肝心のワクチン接種は一向に進まず、国民の怒りは爆発寸前だ。日本国民の接種率(4月末時点)はわずか1.3%と経済協力開発機構(OECD)加盟国37カ国で最下位だという。それに比べ、米国は37%、英国は約36%、さらに中国、シンガポール、韓国などアジア諸国より低い。その批判を抑えようと、菅義偉首相が連日、檄を飛ばしている。
「7月末までに高齢者のワクチン接種を終わらせろ」
そのとばっちりを受けているのが、武田良太総務相だという。
「これまでワクチン接種は、田村厚生労働相や河野ワクチン担当大臣が中心だった。しかし、スピードが遅く、なかなか進まない。菅首相の“ポチ”と言われる武田大臣が呼ばれ、『とにかくワクチンを打ちまくれ』『何とかしろ』と厳命されたので、あたふたしています」(総務省関係者)
しかし、現実は厳しい。厚労省が4月末、全国の地方自治体に内々で調査したところ、1741の市町村のうち6割以上の1100の自治体が「7月中に高齢者のワクチン接種完了はできない」と回答している。
主な理由は「ワクチンが国から届かない」「予約を受け付けると瞬殺で埋まってしまい、現場が大混乱」などなど…。
「市町村はワクチン接種の担当者だけでは手が足りず、他の部署から急遽応援を求めて、クレーム処理にあたっているそうです」(厚労省関係者)