大谷翔平選手(GettyImages)
大谷翔平選手(GettyImages)
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 5月11日(現地時間:以下同)の敵地ヒューストンで行われたアストロズ戦に登板した大谷翔平は、投手としては今季最高のパフォーマンスをみせた。今季三度目となる投打同時出場を果たし、今季最長の7回88球を投げ、4安打、1失点、10奪三振の好成績を残した。これまで投球数の多さが懸念されていた初回の立ち上がりもわずか12球で終わらせ、降板までに与えた四球もわずか1つとコントロールも安定していた。この試合の大谷はもはやエースといっても過言ではない投球をみせた。さらに8回からは今季二度目となる外野の守備に就き、投打同時出場の試合では初のフルイニング出場を果たした。

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 この試合をもって今季の投球回数が20イニングを超えた大谷は、いわゆる「Two-Way Player(二刀流選手)」登録に必要な要件を満たすことになった。2019年に発表されたこのルールは、投手として20イニング以上、打者として20試合以上に出場すれば、「二刀流」としての資格を得て、投手や野手(DHを含む)とは別に独立した登録枠に入ることが出来るというものである。現時点で、このルールに該当する選手はメジャー全体でも大谷のみで、通称「大谷ルール」ともいわれている。

 もっとも、MLBの公式ルールブックには、「コロナ禍の影響を考慮し2020年と2021年のシーズンにはこのルールは適用されない」とも明記されており、エンゼルス番記者のジェフ・フレッチャー記者も「今季は二刀流選手として登録されることはない」と断言する。とはいえ、ここまで三度の投打同時出場を果たし、二刀流登録に必要な要件も早々にクリアした大谷に「来季以降この枠で二刀流登録され、エンゼルスを救う選手になることは間違いないでしょう」と期待する。

 現地記者が大谷をこれほど高く評価するのには、大谷のこれまでの活躍もさることながら今のチーム状態にも理由がある。

 エンゼルスは現在ア・リーグ西地区で最下位に沈んでおり、最悪の状況にある。チーム打率や得点力はリーグ上位を誇っているものの、5月11日現在、投手陣のチーム平均防御率は5.09で30球団中28位と落ち込んでいる。さらに、ここまで30ものエラーを出しており、全球団の中で最低の守備力であるとも言わざるを得ない。さらに、今季はケガ人も多い。現在は復帰しているものの、主力のマイク・トラウトが死球により一時離脱、それ以降もケガで離脱する選手が相次ぎ、現在は野手のアンソニー・レンドンと投手のアレックス・コブが離脱中だ。

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