法政大は現代福祉学部を10年に改組し、福祉コミュニティ学科と臨床心理学科を設置した。特に福祉コミュニティ学科は前年比139%の志願者を集めた。

 同学部は社会福祉と地域づくり、臨床心理の三つの領域を総合的に学べる。現場を重視した学びに力を入れていて、キャンパスを飛び出して地域に入り、課題を探して解決方法を考える。水野雅男学部長は言う。

「福祉というと介護や支援の手を差し伸べるといったイメージを持つ人も多いですが、すべての人が健康で幸せを感じられる社会をつくり出す人材が輩出するのが教育理念。制度疲労を起こしている今の社会の仕組みを変えるイノベーターを育てたい」

 福祉コミュニティ学科約130人のうち、20年度の社会福祉士の国家試験を受験したのは51人で、28人が合格した。合格率は54.9%で、全国平均29.3%を大幅に上回る。一方で、20年3月の卒業生の進路を見ると、医療・福祉業界に就職したのは13.3%だった。多くの学生は福祉業界以外の一般企業に就職している。水野学部長はこう話す。

「コロナで人とのつながりが弱まり、働き方や住まい方も変わる中で、私たちの学部に求められる役割はもっと重要になっていくと感じています」

(編集部・深澤友紀)

AERA 2021年5月17日号より抜粋

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