小池百合子東京都知事 (c)朝日新聞社
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菅義偉首相 (c)朝日新聞社
菅義偉首相 (c)朝日新聞社

 新型コロナの変異株が全国に広がり、医療関係者や著名人らをはじめ、五輪中止の声が日増しに大きくなっている。大会準備は失態続き、混乱ぶりも目に余る。それでも菅義偉首相は「強行開催」のつもりだ。その理由は、やはり選挙とカネ?

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「(五輪関係者のために)コロナ用病床を確保・占有することは考えていない」

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が、首都圏の知事らに病床確保の要請をしたことに対し、千葉県の谷俊人知事はそう答えた。大会期間中にケガや病気をした選手や大会関係者を病院で受け入れるのは、開催都市の重要な任務だ。にもかかわらず、神奈川県の黒岩祐治知事、茨城県の大井川和彦知事も同様に拒否の姿勢を示した。
 
 それもそのはずだ。今、医療現場には不安要素があふれている。関西地方では人工呼吸器の使用が急増し、大阪府では重症用の病床使用率が100%を超えた。それに伴い、麻酔薬として広く使用されている「プロポフォール」の在庫が急激に逼迫(ひっぱく)しているのだ。埼玉県の病院に勤務する看護師は「今は間に合っているが、プロポフォールがなくなると人工呼吸器が使えなくなる」と危惧する。

 事態を重く見た日本麻酔科学会は書面で、「(プロポフォールは)ICU(集中治療室)での使用を優先し、手術室での使用は極力控えてください」と呼びかけ、プロポフォールを販売する丸石製薬は5月7日、出荷数の調整をすると発表した。首都圏でコロナ患者を受け入れている病院の院長が不安そうに話す。

「菅首相は、この状況で本気で五輪をやるつもりなんでしょうか……」

 医療現場の不安をよそに、菅義偉首相は開催をあきらめていない。13日には森田健作前千葉県知事と官邸で面会。五輪に話が及ぶと、菅首相は「やるよ」と答えたという。

 だが、開催日が近づくにつれ、見えてくるのはほころびばかりだ。その一つが、日本では禁止されている治療用覚醒剤の持ち込みをめぐるドタバタだ。

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