AERAdot.が特報した茨城県城里町の42歳の上遠野修町長、副町長、教育長の町の3役が非公表で医療従事者向けのワクチンを高齢者より先に接種していた問題で大きな進展があった。
城里町議会は「全協議会」を5月21日に開催。AERAdot.(12日配信)の報道を受け、上遠野町長が「私は医療従事者の一員」「キャンセルが出て廃棄するのを避けるために接種した」と記者会見(13日)で釈明した件を巡って、紛糾した。
町議会の関誠一郎議長は当日の議会の様子をこう話す。
「町長は議会の途中までは『私は医療従事者』と答弁していたんですが、何人かの町議たちに詰められて、だんだんと通らない雲行きとなり、最後は『医療従事者に準ずる立場ではありません』というようなことを言って謝罪しました。それだったら、最初から医療従事者だなんて突っぱねなきゃよかったんです」
上遠野町長は「集団接種事業を統括する首長の立場で接種した。公表が遅れたことを申し訳なく思う」と謝罪したという。
町長はAERAdot.編集部が役場や携帯電話に問い合わせても取材には応じなかったが、報道後の翌日(13日)に記者会見を開き、こう主張した。
「医療関係者162名の中でキャンセルが12名発生し、このキャンセル分について廃棄するか返却するかの判断を求められ、廃棄を避けるため私を含めて、3役を含めて職員が接種を致しました」
「診療所の開設者である私も医療従事者の一員。問題はない」
ところが、町長を追及した町議は「いろいろと調べてみると、当日、余ったワクチンはそもそも存在しない」と主張する。その理由をこう続ける。
「当日、12人のキャンセルが急きょ出たため、あたかも廃棄するのはもったいないので町長らが接種したなどと報じられましたが、実際は違うんですよ。4月23日より以前の段階で、12人分のキャンセルが発生したことが判明していた。その分を別の医療従事者や高齢者に回すことだってできたのに自分たちが受けるとに決めたんです。ワクチンを解凍せずに保管することだってできたはずなんです」