少子高齢化・人口減少で、さらなる自助努力を求められる子供世代にとっては、「素敵なプレゼント」のように見える。しかも新たに金融商品を買って、それを殖やしていくという“新手法”が取られている。これなら孫にも応用できそうだ。では、実際にはどうすればよいのか。
孫が投資信託を買うための証券会社の「未成年口座」は、基本的に親権者(親)しか作れない。子供が小さいと親が子供の代わりに投資することになるので、まずは子供夫婦を説得して巻き込むことが必要になる。
先の廿野氏によると、税務上はやや複雑になる。
「贈与契約書を作って孫に贈与してしまうケースと、名義は孫だが祖父母が実質所有者である『名義財産』にする場合の2通りが考えられます。後者の場合は祖父母から孫へ直接渡すためには、遺言でそのファンドを孫に遺贈する旨を記述する必要が出てきます」
ただし、相続税の支払いが必要になるような相続だと、遺贈の場合は孫にも相続税がかかってくる。しかも孫は法定相続人ではないので、相続税が2割増になる。仮にファンドが大きく値上がりしていれば、思わぬ税負担がかかる可能性があるので注意が必要だ。
手続きを終えて孫名義で「世界株式ファンド」を買うことができれば、あとは「ほったらかし」でいいだろう。「65年」はともかく、孫が成人するまでは手をつけさせないなどと助言するのも「あり」と思われる。
両学長の手法を参考にすると、孫への金融商品の贈与や遺贈は、いろいろなパターンが考えられそうだ。
一つは、金融商品を変える方式。「世界株式」ではなく、祖父母が強力に薦める投資信託などを買うのだ。ただし、世界株式よりは値上がり期待は小さくなるとみられ、「こだわり」の理由を明確にする必要がありそうだ。
毎月定額が引き落としされる仕組みさえ作ってしまえば、積み立て投資も可能になる。世界株式と同様のインデックスファンドに投資すれば、同様に世界の成長を買える。