「(イチローは)年々、孤高の存在になっていった。チームが勝てなくなると、モチベーションは自身のプレーのみにもなった。チーム内では孤立、口数が減ることで悪循環となった。日本のみならず米国メディアとの関係も悪化。本人も晩年は割り切ったようだった。野球殿堂入りは確実ですが、米国でも好き嫌いが大きく分かれていました」(スポーツ新聞メジャーリーグ担当)

 メジャーへの移籍当初が最も輝き、楽しそうにプレーしていた。チーム内にも多くのタレントがいて本気で世界一を狙っていた。安打を量産、打率部門では毎年タイトル争いをしてオールスターの常連にもなった。しかし所属したマリナーズの成績は振るわず、孤軍奮闘を余儀なくされた。

「自分をセルフプロデュースした姿で、本当のイチローではない。本当は明るくてよく話す男。目立つのも嫌いではない。また心から尊敬したり憧れた人の前では、子供のような姿をさらけ出す。チーム状態も良くなかったので、自分自身の存在価値を高めるため個人のことに集中した。かなり無理をしていたようだが、それでも結果を残して来たことに頭が下がる」(オリックス在籍時代の関係者)

 イチローはピュアな男でもある。95年にテレビ番組の企画でバスケットボールの神様マイケル・ジョーダン、マリナーズのレジェンドだったケン・グリフィーJr.と対面。子供のようにキラキラとした表情を見せていた姿は、米国でも後に話題となった。だが、試合ではそういった部分は極力見せないように淡々とプレーしていた姿が印象に残る。

「過去のテレビ出演は知っていたから、米国での塩対応には驚いた。日本メディアの行き過ぎもあったが、米国も含めすべてのメディアに対して同様だったため批判も多かった。それでもブレない強さがイチローにはあったのでしょうね。大谷も今後はさらに注目されるはず。大型契約を結びメジャーを代表する選手になれば、周囲の喧騒が今以上に激しくなる。今の姿勢のままで30代もずっとプレーすることはできないはず。その時にどう変化するのかも楽しみです」(スポーツ新聞メジャーリーグ担当)

 結果を出して注目されるほどメディアを含めた周囲との関係も難しくなってくる。実績を重ねれば重ねるほど、期待に応えなくてはとプレッシャーも増す。大谷は今季がメジャー移籍4年目。野球での結果はもちろんだが、多くのアスリートを参考に自らのスタイルを構築する時期にも差し掛かっている。

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