ただ「まめ夫」が平均6%ちょっとという低視聴率ながら、コアなファンを獲得したことは注目に値する。一方「恋ぷに」はといえば、悪評もされつつ、8%台前半は維持できた。数字やネットの声には関係なく、どんなドラマも面白い人にとっては面白いということだ。
たとえば、海を前にして、人魚に憧れる人もいれば、津波を恐れる人もいる。月を見て、うさぎやかぐや姫を思い浮かべる人もいれば、月旅行を考える人もいる。最近はやりの多様性というものを両極で体現した作品が「まめ夫」であり「恋ぷに」だったのだろう。
ところで「恋ぷに」が始まる2日前、石原はこんな番宣をしていた。
「春にふさわしい、楽しい、明るくて、ちょっとファンタジックなラブコメやっておりますので、ぜひ見てください」(しゃべくり007)
その通りだったし、それ以上の発見もさせてくれたといえる。
16日の番外編でも、いっぱい驚いたり、ワクワクしたい。どんな背負い投げを食わされるか、今から楽しみだ。
●宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など